まだまだ、真珠の珠入れは続いていますが、合間を縫ってにアコヤ貝の掃除も行います。
今回は昨年度に核入れした”越物(こしもの)と呼ばれる貝です。
例年、カラス貝やカサネカンザシなどの寄生虫が付くのですが、
今年の最大勢力は”フジツボ”です。
真っ赤なフジツボがアコヤ貝を覆いつくすように寄生しています。
ここまで大きいのは何年ぶりでしょうか!
1つ1つ手作業でフジツボを落とし、きれいになったアコヤ貝。
これから秋にかけて、より一層きれいな真珠層を作ります。
年末の浜揚げ(貝から真珠を取り出す作業)が楽しみです。
真珠の「たま」入れ
5月は真珠の養殖期間中、一番と言っていいほど忙しい月です。世間ではゴールデンウイークもあったようですが、佐藤真珠では通常通りの作業でした。この時期は真珠の素になる核をアコヤ貝に入れる作業の真っ最中で、生産者の中ではこれを「たま」入れと言っています。何か楽しそうな呼び名ですが、実際はメスや器具などを使う外科手術のような作業で神経を使います。朝5時から準備をして夕方まで、毎日この作業の繰り返しです。中に入れる核は、アメリカや中国に生息する大きな貝「ドブガイ」の貝殻を丸くしたもの。それと同時に他のアコヤ貝の外套膜を1ミリほどに切った細胞を入れることで真珠が作られていきます。真珠の良し悪しを左右する重要な作業「たま」入れは7月頃まで続きます。きれいに並んだ手術待ちのアコヤ貝。挿している栓の色は緑と黒でバラバラですが特に意味はありません。
アコヤ貝の仕立て作業
来年、核入れするアコヤ貝の準備のお話です。
アコヤ貝生産者から購入した貝はネットに入っています。このまま冬を越させることもできるのですが、核入れする春先に元気が良すぎるとうまくいかないので、すべての貝をカゴに詰め替える作業を行います。これをカゴ詰め、仕立て作業といいます。カゴの中に入れてあげることで中に入る海水が制限され、貝の生理状態が徐々に落ち着いてきて、春先にかけて冬眠のようになります。核入れは手術のようなものなので、人間でいうと麻酔のかかったような状態にしてあげることができます。
1回目の作業はネットから貝を取り出し、くっついている貝を包丁で切って離してカゴに詰め、海に戻します。その数週間後、今度は中の入り数を増やすため、カゴからカゴへ入れ替えます。最後にもう一度。合計で3回ほど、何十万とある貝を海から陸に上げては入れ替え、また海に戻します。この作業はとても大変で時間がかかりますが、これをしないと良い状態で春先の核入れができません。カゴ詰め、仕立て作業はとても重要な工程の1つです。
アコヤ貝は寒さにも弱いのですが、今年は暖冬で、いまのところ貝も元気です。このまま無事に春先まで育つことを願っています。
アコヤ貝の輸送
久しぶりの投稿です。
愛媛県ではアコヤ貝を育てることと真珠をつくることは分けましょうという条例があります。それぞれの技術を向上させることが目的だとされ、その成果があってか、愛媛県は15年連続、真珠生産量が日本一になっています。
というわけで、佐藤真珠は真珠をつくる生産者なので、11月になるとアコヤ貝生産者から貝を購入します。愛媛の南、愛南町で生産されるアコヤ貝を輸送する方法は2つあり、トラックか船を使います。今回は船での輸送。アコヤ貝は2枚貝で口を閉じるので、数時間の輸送でも大丈夫です。車なら片道2時間はかかるところを船だと1時間、しかも一度に5万個ほど輸送できます。
穏やかな明浜の海から出航し、途中、航路に見える島々。長崎の九十九島やベトナムのハロン湾のようで、明浜にはない風景です。到着後、ネットに入った貝を船に積み上げ、すぐさま帰還します。行きはよいよい帰りは恐いとはこのこと、海が急にしけ始め、ワイパー作動、荒波を受けながら、何とか無事に帰ることができました。
このような輸送を数回繰り返し、来年4月から核入れする貝を育てていきます。
夏の貝掃除~グラインダー
春に核入れしたアコヤ貝。たった1、2ヶ月で貝の周りは寄生虫でいっぱいになります。栄養豊富な海ほど寄生虫も多くなります。アコヤ貝の成長のため、またまた手作業で汚れを落とします。前回はハンドクリーナーという手で持つ機械を紹介しましたが、今回は”グラインダー”というマシンを紹介します。高速で回転する鋼の付いた円盤に、アコヤ貝を当て汚れを落とす機械です。適切な角度で素早く当てないと貝を傷つけるので、慣れて上手に使いこなすまでには数年かかります。こうしてきれいになったアコヤ貝は再び海へ。7月の赤潮で何割かのアコヤ貝は死んでしまいました。頑張って残ったアコヤ貝、早く元気になって、今年もいい真珠つくってください!