来年、核入れするアコヤ貝の準備のお話です。
アコヤ貝生産者から購入した貝はネットに入っています。このまま冬を越させることもできるのですが、核入れする春先に元気が良すぎるとうまくいかないので、すべての貝をカゴに詰め替える作業を行います。これをカゴ詰め、仕立て作業といいます。カゴの中に入れてあげることで中に入る海水が制限され、貝の生理状態が徐々に落ち着いてきて、春先にかけて冬眠のようになります。核入れは手術のようなものなので、人間でいうと麻酔のかかったような状態にしてあげることができます。
1回目の作業はネットから貝を取り出し、くっついている貝を包丁で切って離してカゴに詰め、海に戻します。その数週間後、今度は中の入り数を増やすため、カゴからカゴへ入れ替えます。最後にもう一度。合計で3回ほど、何十万とある貝を海から陸に上げては入れ替え、また海に戻します。この作業はとても大変で時間がかかりますが、これをしないと良い状態で春先の核入れができません。カゴ詰め、仕立て作業はとても重要な工程の1つです。
アコヤ貝は寒さにも弱いのですが、今年は暖冬で、いまのところ貝も元気です。このまま無事に春先まで育つことを願っています。