3月に人工採苗された稚貝は10ヶ月後には5～6匁（18～22グラム）に成長します。小さな貝から3年半育てて、ようやく核入れができる大きさまで成長します。秋から春にかけてアコヤ貝を「ちょうちん」と呼ばれるザックリとした網のカゴに詰め冬眠状態にして育てます。

核入れ前に麻酔のような効果があります。また、養殖期間中にはたくさんの種類の汚れが貝に付着するため、定期的に取り出し、1つ1つ丁寧に汚れを取り除いていきます。きれいになった母貝はネットにならべられ、沖合いの漁場で育ちます。
核入れに向けて生理状態を調整するためにかごに詰められ波静かな内湾のイカダで５月の核入れを静かに待ちます。

アコヤ貝に真珠の「もと」になる核を入れます。核は巨大な貝（ドブガイ）の貝殻を切って、丸くしたものです。
麻酔のかかった様な状態になった母貝に5ミリほどの小さいメスを使って慎重に核を抱かせます。核と一緒に同じアコヤ貝の外套膜から取った肉片（ピース）も入れます。

この核入れ作業は毎朝5時から始まり、1ミリの誤差も許されないため、1つ1つ集中して入れていきます。
核入れが終わると、外海の活力のあるフロートいかだに吊り下げます。

沖合いのいかだでは、船に搭載した高圧洗浄機を使って貝に付着した寄生生物を取り除きます。落ない汚れは、貝を海から陸に上げて1つ1つ手作業で貝についたフジツボやカラスガイ、カサネカンザシなどを落とします。

掃除が終わると、真水に漬け浸透圧の差を利用して貝についた寄生虫や海藻を除去します。

核入れから1～2年経ち、水温が充分下がり真珠層のキメが細かくなり照りも出てくるのを確認していよいよ真珠を取り出します。合わせて、食用の貝柱も取り出します。コリコリとした食感で絶品です。
取り出された真珠は色も形もさまざま。真珠の表面の汚れをきれいに洗い落とします。

細かくチェックを行い、それぞれの大きさ・色に分けていきます。
出来上がった真珠はそれぞれの個性が生かされた製品へと出来上がっていきます。