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真珠ニュース
2019.07.2

越物真珠の貝掃除

核入れはまだまだ続いていますが、一休みして貝の掃除をしています。
今回、掃除しているのは2年物の真珠で「越物(こしもの)真珠」と言われているアコヤ貝です。
核入れは主に春先にするのですが、翌年1月頃の1年目で真珠になる貝もあれば、2年かかってやっと真珠になる貝もあります。貝も人と同じで個体差があります。
1年目で取り出す真珠を「当年物」と言い、2年目に取り出す真珠はもうひと冬越すので越物と言います。今回はこの「越物真珠」を掃除しています。
2年間養殖するとそれだけいい真珠ができるのですが、リスクも大きく途中で死んでしまったり、巻き過ぎて変形してしまったりと、当年物に比べて商品真珠になる確率はぐっと下がってしまいます。
ただ、とてもきれいな真珠になるので、このように丁寧に掃除を続けています。
今年はいつものカサネカンザシ、フジツボ、カラス貝に加えて、カキが大量に付着していて除去も大変でした!
きれいになった真珠は新しいネットに並べて、また海へ戻します。
これから暑い夏を乗りきって成長して、いい真珠になることを願っています。

真珠ニュース
2019.06.2

春の核入れ最盛期

佐藤真珠では、4月から始まった春の核入れの最盛期を迎えています。
今年は例年より海水温が上がらず、試行錯誤の作業が続いています。
また、今年は雨が少ない年です。
真珠養殖場のあるリアス式海岸のような地形では、
山から海へ流れ出る水が少ないと、アコヤ貝のエサになる植物性プランクトンも増えなくなる傾向にあります。
自然相手の仕事は難しいです。
本日は恵みの雨。
もうすぐ梅雨入りということで、これから徐々に海の栄養が豊かになってくるのを期待しています。

真珠ニュース
2018.04.3

今年も貝掃除が始まりました。

4月中旬から真珠の核入れ作業の予定ですが、その前に毎年恒例の貝掃除です。
フジツボやカラス貝、ホヤに似た生き物など、いろいろな生物がアコヤ貝に寄生していますが、
今年は何といっても「カサネカンザシ」の勢力が強い!
この「カサネカンザシ」細長い白い棒状の筒の中に住んでいて、駆除しないとどんどん伸びていきます。
貝もカゴも見る見るうちに真っ白に。
こんなにまとわりつかれて、アコヤ貝もさぞかし窮屈だったことでしょう。
きれいになって、これからの核入れに備えます。

真珠ニュース
2017.08.6

台風前日

台風5号が愛媛に近づいています。
まだ強風は吹いていません。
台風の影響か、数時間おきの集中豪雨は、水不足のみかん山を潤しています。
昨日までの予想では、ちょうど真上を通るコースだったので、佐藤真珠では昨日のうちに台風対策を完了しました。
本船や機械を積んだウォッシャー船などは避難をさせています。
九州から台風がくる場合は南風になることが多いので、残りの船や、向かいの祇園丸の網船も全て南向きに繋がれています。
準備万端のところ、今朝は虹が架かりました。
嵐の前の静けさといったところでしょうか。
被害が最小限になることを祈っています。
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真珠ニュース
2017.07.23

研修生と貝掃除

毎日、暑い日が続きますが、佐藤真珠ではひたすら貝の掃除です。
週末には埼玉の
沃土会yokudokai.com
から矢内さんが研修に来てくれました。
本来は、みかん生産者団体の研修だったのですが、佐藤真珠が忙しいということで
半ば強引にうちにも来てもらいました。
家業が農家の矢内くんは、海の仕事は初めて。
慣れない作業でしたが、カサネカンザシやフジツボで汚れたアコヤ貝を
一生懸命に掃除してもらいました。
ありがとう!
また、来年も来てね。
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真珠ニュース
2017.07.9

巨大フジツボ

まだまだ、真珠の珠入れは続いていますが、合間を縫ってにアコヤ貝の掃除も行います。
今回は昨年度に核入れした”越物(こしもの)と呼ばれる貝です。
例年、カラス貝やカサネカンザシなどの寄生虫が付くのですが、
今年の最大勢力は”フジツボ”です。
真っ赤なフジツボがアコヤ貝を覆いつくすように寄生しています。
ここまで大きいのは何年ぶりでしょうか!
1つ1つ手作業でフジツボを落とし、きれいになったアコヤ貝。
これから秋にかけて、より一層きれいな真珠層を作ります。
年末の浜揚げ(貝から真珠を取り出す作業)が楽しみです。
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真珠ニュース
2017.05.13

真珠の「たま」入れ

5月は真珠の養殖期間中、一番と言っていいほど忙しい月です。世間ではゴールデンウイークもあったようですが、佐藤真珠では通常通りの作業でした。この時期は真珠の素になる核をアコヤ貝に入れる作業の真っ最中で、生産者の中ではこれを「たま」入れと言っています。何か楽しそうな呼び名ですが、実際はメスや器具などを使う外科手術のような作業で神経を使います。朝5時から準備をして夕方まで、毎日この作業の繰り返しです。中に入れる核は、アメリカや中国に生息する大きな貝「ドブガイ」の貝殻を丸くしたもの。それと同時に他のアコヤ貝の外套膜を1ミリほどに切った細胞を入れることで真珠が作られていきます。真珠の良し悪しを左右する重要な作業「たま」入れは7月頃まで続きます。きれいに並んだ手術待ちのアコヤ貝。挿している栓の色は緑と黒でバラバラですが特に意味はありません。
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真珠ニュース
2016.07.17

カサネカンザシ(寄生虫)の襲来

ほんとうに久しぶりの投稿です!すみません。
大変なことに、カサネカンザシ(寄生虫)が大発生しています!
もともとは北アメリカなどに生息する外来種ですが、近年、日本にも定着。ミミズなど環形動物の仲間で、放置するとどんどん成長しアコヤ貝が死んでしまいます。掃除したばかりの貝も、たった数日でこの状態。ネットも黒いカゴも全部が真っ白です!
今年は長雨が続き海のエサの量が多く喜ばしいことですが、それは寄生虫にとっても同じ。佐藤真珠の総力を結集してカサネカンザシと戦います!
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真珠ニュース
2015.12.26

アコヤ貝の仕立て作業

来年、核入れするアコヤ貝の準備のお話です。
アコヤ貝生産者から購入した貝はネットに入っています。このまま冬を越させることもできるのですが、核入れする春先に元気が良すぎるとうまくいかないので、すべての貝をカゴに詰め替える作業を行います。これをカゴ詰め、仕立て作業といいます。カゴの中に入れてあげることで中に入る海水が制限され、貝の生理状態が徐々に落ち着いてきて、春先にかけて冬眠のようになります。核入れは手術のようなものなので、人間でいうと麻酔のかかったような状態にしてあげることができます。
1回目の作業はネットから貝を取り出し、くっついている貝を包丁で切って離してカゴに詰め、海に戻します。その数週間後、今度は中の入り数を増やすため、カゴからカゴへ入れ替えます。最後にもう一度。合計で3回ほど、何十万とある貝を海から陸に上げては入れ替え、また海に戻します。この作業はとても大変で時間がかかりますが、これをしないと良い状態で春先の核入れができません。カゴ詰め、仕立て作業はとても重要な工程の1つです。
アコヤ貝は寒さにも弱いのですが、今年は暖冬で、いまのところ貝も元気です。このまま無事に春先まで育つことを願っています。
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真珠ニュース
2015.11.23

アコヤ貝の輸送

久しぶりの投稿です。
愛媛県ではアコヤ貝を育てることと真珠をつくることは分けましょうという条例があります。それぞれの技術を向上させることが目的だとされ、その成果があってか、愛媛県は15年連続、真珠生産量が日本一になっています。
というわけで、佐藤真珠は真珠をつくる生産者なので、11月になるとアコヤ貝生産者から貝を購入します。愛媛の南、愛南町で生産されるアコヤ貝を輸送する方法は2つあり、トラックか船を使います。今回は船での輸送。アコヤ貝は2枚貝で口を閉じるので、数時間の輸送でも大丈夫です。車なら片道2時間はかかるところを船だと1時間、しかも一度に5万個ほど輸送できます。
穏やかな明浜の海から出航し、途中、航路に見える島々。長崎の九十九島やベトナムのハロン湾のようで、明浜にはない風景です。到着後、ネットに入った貝を船に積み上げ、すぐさま帰還します。行きはよいよい帰りは恐いとはこのこと、海が急にしけ始め、ワイパー作動、荒波を受けながら、何とか無事に帰ることができました。
このような輸送を数回繰り返し、来年4月から核入れする貝を育てていきます。

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